人と極力話したくない私は、飲食店でモバイルオーダーがあると飛び付きたくなる。自分の声は人に聞き取りづらい上に、活舌が悪いのか間違って理解されることがある。随分昔に、寿司屋を営んでいる人が自分の好きなネタを聞いてきて、「サーモン」と答えたのにその人は「玉子」と聞き違え、自分が来た時には玉子を用意してやろうと自慢げに言っていた。無論、彼の店には一度も赴いていない。
こうした誤解が生じるリスクがある上に、そもそも人と話すのが面倒だ。ということでとあるチェーン系のカフェでは、レジに向かわず空いた席に着いてモバイルオーダーを使用している。その店で出来る飲み物などのカスタマイズを、なぜか口頭で伝えるのが苦手なのだが、アプリを使えば簡単に出来る。だが通信状況のせいか、なかなか次の画面へ行かずに時間を食う、結果として何もせず席に居座っているために他の客からは「注文もしないで何をやっているんだ」と冷ややかに見られることを恐れる自分もいる。
モバイルオーダーのない店では店頭での注文もするし、使えるからと言って全ての店で利用しているわけでもない。看板を見掛けたところで、スマートフォンの容量が気になってわざわざアプリを入れることに躊躇う、ということもある。やはりまだデジタルに振り切れていないのは、良いのか悪いのか。