おおよそ本格的な登場順に並んでいます。紹介文下の見出しをクリックすると、詳細なプロフィールやキャラクターデザインが表示されます。生年月日表記は西暦で統一しています。3年にわたる物語なので、身長などに成長分が発生しているキャラクターもいます。
平井 清隆 Hirai kiyotaka
「良いだろう。助けてやる」
「俺は真実を知りたいだけだ。それに敵も味方も関係ない」
幼少期から吹奏楽に親しんできた高校生。追われていたシャシャテンを助けたことにより、これまで知らなかった瑞香に関わっていく。基本的に疑い深く、気になったことは深く探ろうとする。
生田 信 Ikuta Makoto
「おれのことも忘れないで! おれにも瑞香を教えてよぉ!」
「本当に申し訳ない! おれが騙されてました!」
清隆が高校に入って初めて親しくなった人物。見聞きしたことのないものにも興味を持ち、すぐに受け入れる。誰とでも仲良くしようとするが、それが相手にとっては邪険に思われることも多い。そしてつい自分の話に集中してしまうこともある。
シャシャテン Shashaten
「その様だと、そなたは奏楽を捨てられぬであろうよ。たとえ昔に、何か気に障ることがあったとしてものぅ」
「私は、生まれ故郷の大事を見過ごすなど出来ませぬ」
追われていたところを清隆が助けた女。ある目的のため日本と交流の途絶えていた国・瑞香から訪れ、平井家に居候する。新しいもの好きな一方、少々感情的でもあり、近しい人を信頼するあまりに頑固となりがち。
平井 美央 Hirai Mio
「あの人、『人でなし』なんですよね?」
「もうわたしに、あいつがどうとか言わないで!」
清隆より一つ下の妹。興味を持ったことにはのめり込むが、それ以外には全く見向きもしない。周りの人にも「好き」「嫌い」の感情を持たず、無関心なことが多い。丁子色の髪は生まれつきのもの。
八重崎 小町 Yaezaki Komachi
「いつも音楽に情熱を持っている人なんて、まれだよ。それこそプロでないとさ」
「やっぱり優しいんだね、そういうところ好きだよ」
吹奏楽部に所属する生徒。高校付属の中学校から進学しており、清隆は「先輩」と呼んでいる。華奢ながら武道を嗜み、バリトンサックスを堂々と構える勇ましさも持つ。人の世話を焼くのが好きだが、一方で一人になることを好む様子も見せる。
北 道雄 Kita Michio
「こんな世の中に、どうしてつらい思いをしてまで生きなきゃいけないんだろうね……」
「……ぼくは、ばかで、最低だ」
幼少期から「天才」と呼ばれてきたピアニスト。瑞香にまつわる事件に関わっていくうちに、清隆と親しくなる。本人は「天才」の呼称が嘘だと思っており、自己評価が低い。その様は謙虚を通り越して自虐的。
四辻姫 Yotsutsuji-hime
「そなた達はそこまで我が国を思うてくれておるのか?」
「この国を思うのは私だけで良い。そなたはいずれ――」
シャシャテンの故国・瑞香の元女王。ある事件から都を離れた山に幽閉されている。そんな苦境にもめげず女王に返り咲く策を練っており、シャシャテンからの信頼も厚い。あまり周りへ本心を話さず、いつも日記に書き留めている。
宮部 玄 Miyabe Gen
「聡いのはお一人だけでございましたか」
「命が長ければ、恥は多い――不老であれば別なれど」
瑞香の都で箏を教えている男。誰もが聞き惚れる音色を奏で、箏を好む者は皆が彼のもとへ来ると言われる。どんな教え子も受け入れる寛容さを持つが、人に好意を持つことはあまりない。目的のためなら思い切った行動に出ることもある。
伊勢 千鶴子 Ise Chizuko
「姓か名のどちらかで呼んでください。ああ、名には『子』を付けるのをお忘れなく」
「……わたしだって、殺したくなかったのに……」
シャシャテンと因縁深い元拷問吏であり、今は宮廷女官。自分の生まれを心苦しく思っており、親しい人からも同情されている。身分を上げてくれた大友に深い恩義を感じており、彼のために動くしたたかさを持つ。
大友 正衡 Otomo Masahira
「国が在りし日の姿に戻ることこそ、救い」
「わたしは長く抱いてきた望みを、しかと叶えたかった」
かつて四辻姫から王権を強奪したとされる瑞香国王。目的のため革新的な動きにも出る理想主義者。威厳のある態度を見せている一方、最近はある人物からの心労を受けているらしい。
朝重 れい Asashige Rei
「……何も言わないで。あなたの言うことなんて聞きたくない!」
「歌というのは、言葉の裏にある心を見るものでしょう」
かつて瑞香に住んでいた歴史家の末裔である娘。日本に生活しているが生まれは瑞香であり、幼少期に離れてしまったそこに憧れている。普段は内気で大人しい。しかし一途で強情な面も持つ。
山住 城秀 Yamazumi Shirohide
「私は姫様一筋に生きると決めました。他の者が立ち入るなど許されません」
「不死鳥は空にいなければなりません。狭き中に囲われているべきではない!」
シャシャテンが瑞香にいた時から思い合っている、護衛士上がりの武官。職務には真面目、主人には忠実と一見頼りがいがある。しかしどこか抜けており、うっかりした失敗が後を絶たない。恋愛には疎く、鈍感さはシャシャテンが呆れるほど。
筑紫 賢順斎 Tsukushi Kenjunsai
「死は全てを奪うもの。随喜も快さも、死を迎えれば二度と覚えることが叶いません」
「わたしたちは尊い不死鳥に近付きたいのに、向こうから去られてしまうとは。何と皮肉な」
瑞香で流行り出した宗教「梧桐宗」の開祖。死ぬことを何より恐れ、不老不死を望んでいる。多くの弟子や信者から慕われているが、その内に抱えているものは深く秘められている。
倉橋 輪 Kurahashi Rin
「私、瑞香の王家についてはよく知っている所存ですので――」
「私は、貴方がたを救いに来たのです」
中性的な雰囲気で人気を持つヴァイオリニスト。北に瑞香のことを教え、朝重とも仲が良い。信念のためならどんな動きも辞さない行動派。「自分は自分」というポリシーを持ち、それは自身の性別にも及ぶ。
妙音院 師長 Myoonin Moronaga
「家の者と関わるのが嫌になりましてね。親類に呪いを掛けられたこともありました。そこを賀茂さんに救われまして」
「では正しき瑞香王家の真実を、教えて差し上げましょう」
箏と琵琶の名手として名高い、都の外れに住む公家。争いを好まぬ自由人で、由緒正しい実家から出奔したのもそのため。出自には大きな秘密を抱えているが、明かすつもりはないという。
賀茂 泰親 Kamono Yasuchika
「陛下、わたくしめからもお願い申し上げたく」
「此度の事はわたくしめが悪いので御座います。ここはわたくしだけにお任せを――」
瑞香で腕が立つと評判の陰陽師。大友に召し抱えられたこともあるが、昔から親しい妙音院には特に強い恩義を抱いている。謙虚で責任感が強く、失敗するとすぐ自らを強く責める。一方で人気のないところで、どこか人や瑞香を達観しているような一面も見せる。